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【新春対談】公益社団法人太田青年会議所第60代理事長 大塚 祐輔 × 群馬県知事 山本一太 氏

[大塚]

本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございます。私たち太田青年会議所としては来年60周年となるところで、人間の年齢で言ったら60歳と還暦を迎えます。還暦というのは新しく生まれ変わるという意味もございますので、群馬県と連携を強めて、太田青年会議所の活動に繋げていければと思いますので、本日はいろいろ情報交換という形でよろしくお願い致します。

それではテーマについてですが、2020年の初頭からコロナウイルスの感染拡大もありまして、経済活動や地域のイベントなども行動制限されている中で、反対にITやデジタル分野が急速に発展したという背景があります。そこで今、知事の進めている新群馬県総合計画の中の一つとして、行政と教育のデジタルトランスフォーメーション推進というものがありますが、デジタルに触れたことがない年配の方や小さいお子さんへのサポートはどのようなものが必要だとお考えでしょうか。

[山本知事]

もうデジタル化は避けられない流れだと思います。パソコンとかネットが得意じゃない高齢者や小さなお子さんにまずしっかりと伝えなきゃいけないのは、デジタル化が何であるかという事。
より生活を便利にする、生活しやすくするためであって、すべてをデジタル化するためにするわけじゃないわけですよね。デジタル化をすることによってむしろ毎日の生活の負担が少なくなったり、より良い生活が送れたりするという事を、1人でも多くの人にしっかりと理解してもらう事が必要だと思います。

国民全員にデジタル研修のような事をやるのは無理なので、まずはデジタルって大事だと、使ったら便利になるっていう意識を広げるということが大事だと思います。
例えばデジタルについて知りたいといったときに、そういう人たちを受け入れる窓口みたいのは、おそらく各自治体設けていかなきゃいけないし、群馬県もいろんな形でデジタル研修のサポートを市町村に対してやっていますから、そういう相談窓口みたいなものを、群馬県も太田市もより充実させていかなければいけないかなというふうに思っています。

[大塚]

私たち太田青年会議所としても、コロナの関係もあり、従来、集まって行っていた会議にZoomを活用しました。また今までは紙資料で会議を進めていましたが、今ではアジェンダシステムというものを使って、ネットを見ればどういった事業をこれから展開していくかという議案書を全部確認できるようになりました。活用方法はさまざまですが、そういったデジタルの便利さを1人でも多くの年配の方や小さな子供たちに、少しでもデジタルに触れられる機会を私たち太田青年会議所の方で作るような事業なども今後、行っていければなと思います。

[山本知事]

素晴らしいですね。ぜひ青年会議所にもリーダーシップを発揮してもらって、1人でも多くの方にデジタル化は生活を便利にするためにやるんだということを伝えてほしいし、ネットの効果的な使い方みたいものをぜひ1人でも多くの方々に伝えていただければと思います。行政は行政なりに努力しますが、JCの役割がこういう面でもすごく大きいんじゃないかと思いますね。

[大塚]

ぜひ青年会議所として参考にさせていただいて頑張っていきたいと思います。

続きまして、災害レジリエンスナンバーワンの実現とありますが、青年会議所も2021年に、各地域市町村で災害協定を福祉協議会と結んでくださいという動きがあり、太田青年会議所も太田の社会福祉協議会と災害協定を結ばせて頂きました。
日本全国でそういった運動が今、広がっていると感じています。その中で、やはり群馬県は防災に関して少し疎いという印象もありました。そもそも災害が少ない地域と言われている中で、最近では豪雨、土砂災害、川の氾濫等の災害がありました。防災意識が比較的低い中でどういったことをすれば市民の方々の防災意識を高められるとお考えでしょうか。

[山本知事]

例えば群馬県でいうと、防災の重要性っていうのはいろんなところで発信しているのですが、防災意識を高めるっていうのはやはり日頃からの訓練だと思うんですよね。

今、JCが災害協定の中でいろんなシミュレーションをやっているように、もちろん行政としっかり連動しなければいけないと思いますが、例えばこういうことが起こったときには、こういう手順でこういうことをやるといった避難計画をしっかり作っておくっていうことが大事だと思いますね。

それから、やはり訓練ですよね。防災訓練というものをしっかりと定期的にやっていくってことが大事だと思います。それには行政との協力と連動も必要ですので、地域の防災訓練みたいなことに太田JCも清水市長と協力して行っていけたらいいのではないかなと思います。

[大塚]

青年会議所としても災害、防災意識を持ってもらうために、関東地区協議会で高校生のネットワークというものを作り、高校生にボランティアとして活動してもらう事で災害というのはこういったものなんだという事を共有してもらい、防災意識を深める活動を行っています。やはりこれからを担う若者たちに防災の意識付けは必要だと思うのですが、その若者たちに対して行政から何か意識付けを行うことはできますでしょうか。

[山本知事]

そうですね、今後の方針を知事が直接県民に説明する未来構想フォーラム第2弾というものがあって、大体12ヶ所ぐらいの各地域で行っていますが、そういった若者の政治参加もそうだし、行政参加の意識もそうだし、いろんな事業を展開しながら防災意識もあわせて付けていくしかないと思います。

また、太田にはあれだけ知恵を持った行動力のある市長がおられるので、清水市長にも色々な知恵を出していただいて、若者にいろんな啓発を呼びかけていくっていう感じが大切ではないでしょうか。そして、若者に意見を届けるのはやっぱりネットだと思うのですよね。
だから群馬県は新しいメディア戦略を組んで、ユーチューバーと連携したり、ショート動画ディレクターを設けたりして、ネットを使った啓発みたいなものに力を入れてく事が必要だと思います。その過程でJCのような、若者の経営者のグループとも連携しながら、少しでもメッセージの届く領域を広げていくっていうのがいいのではないでしょうか。

[大塚]

ぜひ、今後の太田青年会議所の活動の参考にさせていただきます。

続きまして、県民総活躍社会の実現というところで、太田JCとしても青年会議所活動を充実させると同時に、家庭や仕事に負担がかからないようにしていきましょうとか、家族の日を作りましょうとか、子供連れでも事業に参加できるような内容の事業を作っていきましょう、といった多種多様な、現代の若者たちが負担なく集まれるような環境を今作ろうとしているんですけども、県としても県民の総活躍というところで若い子たちにどんどん活躍してほしいという方針だと思いますが、例えばどういった支援やプログラムを構築していくことが重要だとお考えでしょうか。

[山本知事]

プログラムっていうか、新しい教育イノベーションみたいな事を群馬県から起こそうと思っています。知事として何をやろうとしているかというと、群馬県は非認知能力教育、または社会的情動スキルというのですが、学力とか偏差値によらない。いわゆる、自ら考えて生き抜く能力ですよね。

子供たちの能力は千差万別であって、スポーツが得意な子供もいれば、勉強が得意な子供もいる、スポーツとか勉強が得意でなくても、例えば何かすごくアーティスティックであったりだとか、友達を笑わせるムードメーカーだったりとか、忍耐力あるとか、そういった学力とか偏差値でない能力をもっともっとちゃんと見て、評価をしてあげて、そういう人たちの力を引き出す社会にするべきだと思いますから、それに向かっていくことが重要だと思います。

[大塚]

ありがとうございます。太田青年会議所としてもいろいろな人がいますので、皆さんの個性を活かせられるような団体になれたらいいと考えます。

次にeスポーツについてですが、群馬県でもeスポーツを推進されているとお聞きしたのですがeスポーツをより売り出すためのアドバイスがあれば教えてください。

[山本知事]

まずは行政を本気にさせることからじゃないですか。例えば太田市がどのぐらいeスポーツを重視しているか、そこまでの意識は多分ないかもしれないから、だから太田JCがまず努力をして行政に働きかけて、いかにeスポーツが大事かっていうことをまずしっかり伝えないといけないんじゃないですかね。

あとは、eスポーツも大事だけど、クレインサンダースの選手をもっと有名にする運動とかやってあげたらいいんじゃないかな。今のところまだクレインサンダースの選手が前橋や高崎を歩いていてもサインを求めて人が集まってこないじゃないですか。そういうのをちょっと助けて、盛り上げていけたらいいんじゃないですかね。

[大塚]

ぜひ参考にさせていただきます。
来年は太田青年会議所創設60周年というところで、子供たちがバスケットをできる大会を企画していまして、そういった所で、バスケットから太田を盛り上げていけたらいいなと思います。

[山本知事]

いいと思います、子供のバスケットボール大会。あのアリーナでやれるのは素敵ですよね。太田のアリーナは全国的に見ても結構トップクラスの施設ですからね。ぜひ頑張ってください。太田JCにはとても期待しています。

これから共に群馬県、それから太田市を盛り上げていきましょう。

[大塚]

ぜひとも一緒に盛り上げていきましょう。

本日はお忙しい中ありがとうございました。

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