公益社団法人太田青年会議所 2019年度 理事長基本方針

公益社団法人太田青年会議所 2019年度 理事長基本方針

第55代理事長 深澤 利弘

 「自分は何のために生まれたのか」。地球上74億の人類がいますが、戦争に巻き込まれず、いつでも水と食料が手に入り、教育を受けられ、励むべき仕事に恵まれ、娯楽を享受できる人ばかりではありません。そして、生きる時間は有限であり、今日という日は一度きりです。そのことに気づいたとき、一日を懸命に生ききり、できることを全力でやり、世のため人のためにならねばという気概が沸いてきます。
 平成という時代、2010年代が終わろうとしています。来る新時代、2020年代を超えた先に到来する2030年。太田はどのような都市になっているか。会社は、家族は、自分はどうなっているか。それは今を生きる一人ひとりの考えと行動次第です。大切な人の幸せを願い、自己成長を求め、青年会議所活動に打ち込む私たちメンバーは、「すべては未来のために」という考えをもって、未来の太田、未来の大切な人、未来の自分のために行動を起こすべきではないでしょうか。
 青年会議所は単年度制です。この仕組みにより事業と組織は新鮮さが保たれ、メンバーの成長が促されています。しかし単年度制とは、単にその年度さえ良ければいい、ということではありません。その年度の成果も課題も、次に引き継がれ、活かされなければなりません。今年の事業も、メンバーの学びも、有形無形あらゆる形で来年以降につながる。その観点をもち、未来に対する責任を自覚し、今を全力で生ききっていきましょう。

【開かれた都市太田】

 全国有数の工業都市として製造品出荷額は年々増加を続け、人口も微増を続ける太田市。北関東自動車道太田強戸スマートインターチェンジの開設や、おおた渡良瀬産業団地の造成など、都市開発は続いています。それでも政府が提供する「地域経済分析システム(RESAS)」の推計によれば、太田市の人口は2015年から2020年の間で2.42%減少し、2030年までには約10,000人が減少するとされています。これは私たちにとって、自らの生業にも直結する問題です。
 産業を興し雇用を生み、暮らしやすい環境を整えて定住人口を確保することが、最も直接的な効果のある施策ですが、全国的な人口減少のなかでは限度があります。並行して取り組むべきは通勤や通学、レジャーや観光、スポーツや芸術などで訪れる人を増やす交流人口の拡大です。これまでも地域の魅力を発信する事業を展開してまいりましたが、交流人口拡大の視点を明確にもって地域資源を生かし、共感を集めメリットを訴求する手法を構築することで、より多くの人々が訪れ地域経済を活性化させることができると考えます。
 また、太田は近隣地域を含め、外国人在住者が多い都市でもあり、年々増加しています。職場や学校、日ごろの生活圏内で、外国人在住者はもはや珍しい存在ではありません。私たちはJCIへの事業参加を呼びかける際に、国際の機会の意義をしばしば語りますが、今や国際を感じる機会は、見渡せばすぐそこにあるのです。外国人在住者の実情を認識し、地域社会の大切な一員としてより深くかかわっていく。そこから社会と経済を活性化させる取り組みを起こすべきではないでしょうか。
 私たちは、多くの人が行き交う状況を創出して交流人口を拡大させ、身近にある国際の機会に触れ世界への物理的精神的な垣根を取り払うことで、「開かれた都市」太田という未来を実現します。

【未来に生きる教育】

 第4次産業革命と呼ばれる社会構造の転換が進み、人工知能やロボットの発達などで、人間の行う仕事の半分が機械に奪われるという予測もあります。このような話を聞くと、子どもや若者の将来に不安を感じるかもしれません。最先端の知識を慌てて追いかければいいのか。すぐに役立つ最先端の知識も大切かもしれませんが、変化の速い現代では、あっという間に過去のものとなり役に立たなくなります。
 では、子どもや若者が未来を生きるうえで変わらず役に立つ教育とは何か。それは、何のために生きるのか、どのように生きるのか。そうした核心を追求する思考であり、その下地となる教養です。そして、どのような時代でも人がいる限り、困難に立ち向かう勇気、他者を慮る心の成長は、健全で持続的な発展には欠かせないものです。
 教育とは、受ける本人にとっては目的が理解できないことがあります。なんでこんなことをやっているのだろう、と。逆説的にいえば、「だからこそ」教育には意味があるのです。今は理解できなくても、いずれわかる瞬間がきっと訪れます。私たちは、流行廃りなどに左右されず本質と大局と歴史に裏打ちされた信念を持ち、子どもと若者の育成を持続的に行う取り組みを通じて、輝く未来の礎を築きます。

【自己成長の証明】

 まちづくりなどの手法を通じて真のひとづくりを行うのがJCであり、自己成長することで大切な人の幸せにつなげるのがJAYCEEです。では、JC活動による自己成長とは何でしょうか。言い換えると、皆さんはJCを自分のために役に立てていますか。仕事や家庭、人生のどこかの場面で生かしていますか。程度の大小や直接間接、どのようなことでも良いですが、成長しているという証明を自ら意識的に行わなくては、周囲が勝手に好意的に理解してくれることは極めてまれでしょう。
 たしかに、家族にさみしい思いをさせ、会社を空ける時間があるかもしれません。でも、曖昧な説明や後ろめたさの見え隠れする言葉では、人の心は動きません。「俺は、私は、皆のためにJCをやっている」。本気でそう言いきり、自己成長を証明しない限り、JCの良い評判が広がることも、会員拡大が成功することもないのです。
 JCに使われるのではなく、自己成長の機会としてJCを使う。そして、どう生かしているのか胸を張って発信する。そうすればきっと周囲の理解は少しずつでも得られ、メンバー全員がより前向きに活動でき、より良い運動につながります。

【JCを学ぶ、体感する】

 青年会議所という組織は、営利というある意味わかり易いものさしで動く組織でないため、「どのような組織なのか」という価値観の共有がより重要です。世界中のJC活動はJCI CREED、JCI MISSION、JCI VISIONの唱和から始まり、日本中のJCで三信条、JC宣言、綱領を掲げています。太田青年会議所には「ひたむきな情熱をもやし無限の可能性」に挑んできた54年の伝統があります。これらセレモニーをはじめ会議、財政、コンプライアンスなど、JCプロトコルともいうべき「決め事」を当たり前に行える文化の継承から価値観の共有は始まります。まさに、「志を同じうする者相集い力を合わせ」ることで運動を拡げるのです。在籍年数の少ないメンバーが多くなってきている今、JCがJCであり続けるために価値観の共有から始まる研鑽を積んでまいりましょう。
 また、人は他者との出会いから、己が何者かを知ります。日本青年会議所をはじめ各会への出向により得られる学びとネットワークは、本人はもちろん、LOMの可能性も拡げる財産です。出向者が太田の誇りを感じ思いきり活動できるよう支えてまいります。
 どのような価値観と可能性をもった組織なのか。LOM内外で学び、体感する機会を最大限生かし、メンバーの成長と太田青年会議所の組織力を未来につなげてまいります。

【共感をデザインする組織運営】 

 青年会議所運動には必ず対象者がいます。また、支援者や協力者がいて活動が可能となります。支援者や協力者をいかに増やすか、どのように運動を対象者に届けるか。鍵となるのは共感です。共感とは相手の意見や思いをそのとおりだと感じ、賛同することです。我々が何者であるかイメージを確立するブランディングにより、私たちの思いの視認性を高め、市民とJCをつなぐ最適なコミュニケーションをデザインすることで、共感を構築します。また、地域に発信される事業の構想背景、過程、成果など検証を行い、対外的な評価を受けることも、共感構築への土壌となり長期的な運動の発展に資することになります。
 私たちは、地域や関係する人々から共感される組織運営を行い、未来にわたって必要とされる太田青年会議所を築いてまいります。

【未来へ駆け出しNEXT STAGEへ】

 2014年度、創立50周年を機に、太田青年会議所に宿る「魂(こころ)」を未来永劫に繋げることを誓いました。これを起点として心の積極性をもって新たな一歩を踏み出し、幸せの循環する地域を目指して第64回関東地区大会群馬太田大会を開催しました。その成果を糧にメンバーの心を突き動かして真の組織を標榜し、心に使命の炎を燃やして地域の意識の変革に取り組んでまいりました。これがこの5年間の歩みです。
 2019年度、太田青年会議所は創立55周年を迎えます。55年の歴史に感謝をし、5年間の成果を確りと認識し、未来に向けて、中でも次の節目である60周年に向けて覚悟と思想を示す好機です。単年度制ではあるが、単にその年度さえ良ければいいのではないという観点をもち、すべては未来のためにとメンバー全員が駆け出す機運を高め、メンバー、太田青年会議所、さらには太田を次のステージに引き上げてまいります。

 今さえ良ければいいのであれば、あえてチャレンジする必要はないかもしれない。しかし、未来は必ずやってくる。それはだれかが何とかしてくれるのではない。今を生きる一人ひとりの考えと行動次第で決まる。そう、私たち青年には未来に対する責任があるのだ。
 チャレンジする。成功するとは限らない。失敗するかもしれない。それでもいい。成功も失敗もすべて成果である。それが青年の特権だ。私たちのチャレンジの連続が、必ずより良い未来を拓く。太田の未来も、大切な人の未来も、自分の未来も。

今を全力で生ききろう
世のため人のため行動を起こそう
すべては未来のために

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